虫の本当の姿
早くも夏のような暑さを感じる今日このごろ。そろそろセミの季節となってもおかしくない。で、なんともなしにセミの一生に付いて考えて見た。なんでも、一生のうちの大半を地中で過ごし、サナギをへて成虫になって一ヶ月ほどのちに死ぬらしい。なんて悲しい一生なのだろう!って思ってた。
でもその見方はちがうのでは?実際は違うのでは?そんな疑問が頭を離れない。
幼虫からサナギになり、最後は成虫となって子孫を残す。
何年も土の中で過ごし、最後の最後に空を自由に飛び回り、大きな音を奏で、命を振り絞って子孫を残す。
私達はセミの一生をそんな風に解釈していた。でも違う。なんか違う。
それじゃあ土の中が長過ぎるでしょ。
そう、土の中が長過ぎるのだ。
人間で考えたら、真面目にコツコツと日々仕事をしている数年間の幼虫時代。
会社から飛び立って、生き急ぐかのように飛び回る1ヶ月ほどの成虫時代。
どう考えても幼虫時代が「実際の自分」でしょう。
そう、地中にいる状態を僕らが勝手に「幼虫」と名付け、セミとなるための準備期間であるかのように扱うが、その「幼虫」こそが彼らの本来の姿で、「セミ」はあくまでいわゆる種の存続のための生殖活動に特化した付け足し期間なのではないだろうか。
実際、サナギ状態の体内は一旦体がドロドロになった後に成虫になるという。
つまりは幼虫としての自己は一旦終了している。セミがあっという間に死んでしまおうが、本当の「セミ」にとってはどうでもいいのかもしれない。